思い浮かべてください……
あなたは今、経営者が集まる交流会にいます。
人数は100人ほど。
セミナーが終わった後の懇親会。
立食形式のパーティーです。
主催者の乾杯の挨拶が終わり
みな、近くにいる人達と名刺交換を始めます。
そう。
「人脈作り」のためです。
みな、自分のビジネスにつなげようと
つまり「その人を通じてお金を稼ごう」と
自分を印象づけるのに必死です。
あなたのところにも
保険の営業マンらしき人物が名刺交換に来ました。
その人物の肩越し、向こう側には
あなたが「狙っている」会社の社長がいます。
その会社と取引を始めることができたら……
あなたの会社は今年、大きな売上を伸ばせそうです。
ですがその人の周りにはすでに4~5人の人が集まっています。
みな、その社長と「コネ」を作りたいのでしょうか……
さて……
どうすれば、あなたはこの場を
有効に過ごすことができますか?
その方法を知っていますか?
実はこのような交流会の場で
初対面の人と(もちろん、相手がどんな相手でも)出会って10分で
その人から好印象を持たれる方法があります。
それは、ほかの参加者が絶対にやらない方法です。
それは、あなたに「コミュニケーションスキル」を必要としません。
それは、ほとんど「練習」も要りませんし
そもそもあなたがたくさん話す必要もありません。
その方法とは何なのか?
その日、無数に名刺交換をしたたくさんの人の中から
あなたのことを「特別だ」と思ってもらう……
人脈構築の最強の方法です。
「どんな本? ざっくり教えて」
見込み客の紹介が止まらないネットワーク(人脈)の作り方が書かれた本。
このような具体的なノウハウが載っています。
- 参加した交流会でどう振る舞えばいいのか?
- どのように自己紹介したらいいのか?
- 電話営業の仕方、インターネットの活用法は?
「誰におすすめ?」
- 営業マン
- 起業家、経営者
- 積極的に人脈を作りたい方
- 新社会人、若い人
個人的には、若い時にこういう良書を読んでおくのを特にオススメしたい。きっと、その後の人生の展開が変わるでしょう。
「ここがポイント!」
ただお客さんの紹介を待っているだけではダメです。紹介を受けるには、紹介を受けるに足る人にならなければ。
ネットワーキングとは、ギブ・アンド・テイクの関係。ビジネスの大原則、ウィン・ウィン(Win-Win)の関係とも言えます。
でも何を、どうやってギブすればいいのでしょう?
この辺が本書のポイントです。その方法は、全編にわたり、項目立てて具体的に説明されています。それだけに “使える” 本と言えそうです。
著者のボブ・バーグは、「紹介の連鎖が止まらないネットワーキングを育む」と言っています。
想像してください。あなたの電話やメールに、どんどんお客さんの紹介が舞い込んでくるさまを。
そのような状態を作り出すには、ちょっとしたコツがいるようです。
それをお話しする前に、まずはこちらから。

ネットワーク(人脈)づくりのノウハウが満載。
『秘・人脈活用術(マル秘・人脈活用術)』 目次
PART1 ネットワーキングの基本
PART2 ネットワーキングの実践
PART3 ネットワーキングの応用
PART4 ネットワーキングの循環
『秘・人脈活用術』 口コミ・評判
あなたがセールスマンとしてのキャリアを真剣に考えているなら、売っている製品やサービス、あなたの個人的事情によらず、本書の内容をマスターすることで、成功が約束される
トム・ホプキンス
(『営業の魔術』著者)
何よりも大切なのは、彼の戦略とテクニックが、現在の情勢に合った、そして将来を見越した有効なセールスの手法ということだ。
彼のアドバイスに従えば、みなさんも本書が約束するものを手に入れられるマイケル・ルボーフ
(『お客様の心をつかむ真実の瞬間:驚異の売上を達成する10の秘訣!』著者)
リンク先の本書の商品ページにて、この本を実際に買った方のカスタマーレビュー、感想を読むことができます。
ボブ・バーグ 著者紹介
バーグ・コミュニケーションズ社社長で、プロの講演家、コンサルタントとして活動している。
専門はコミュニケーション・スキルと、ビジネスにおけるネットワーキング。テレビのニュースキャスター、営業マン、営業部長を経て現職。
現在では、人気の講演家として、アメリカ中の大企業や団体、販売組織で基調講演を行なっている。フロリダ州ジュピター在住。
著書に『敵を味方に変える技術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、共著に『ひとを動かす技術』(大和書房)、『あたえる人があたえられる』(海と月社)などがある。
※目次、著者紹介は、ダイレクト出版から正式に提供された文章です。
『秘・人脈活用術』 レビュー
ネットワーキングとは
「ネットワーキング」。意味は何となくわかりますが、この本ではこのように使われています。
ネットワーキングとは、ギブ・アンド・テイクの関係性を築き、当事者の誰もがうれしい状況を作りだすことだ。
このネットワーキングが有効であることには、2つの前提があります。
それは……
1. 「ジラードの250の法則」
人の勢力圏は平均で約250人。ギネス記録を持つ世界一のカーディーラーであるジョー・ジラードの『私に売れないものはない』に書かれているという「ジラードの250の法則」。これが前提になります。
自分一人に250人。それでけではありません。250人の一人一人に250人がいるということです。
250人 × 250人 = 62,500人
完璧にネットワークが機能すれば、「友達の友達は皆友達だ」の範囲で62,500人ということになります。
『急に売れ始めるにはワケがある』(マルコム・グラッドウェル著)では、「150の法則」で同様の勢力圏——人間が真正の社会生活を営むことができる最大の個人数——が紹介されていました。
250人でも150人でも、たくさんの人ですね。
2. 「ネットワーキングの黄金律」
ほかの条件がすべて同じなら、人は知り、気に入り、知っている相手に仕事や “紹介” を回す。
注意しなくてはならないのは、ネットワークの仲間がそのまま見込み客ではないということ。友人に商売をしようとすると、ちょっと人間関係がこじれたりするのは、何となくわかりますよね。
もちろん、友人などが買ってくれる場合もあるでしょうが、ここでは自分の見込み客を友人、知人が “紹介” してくれる、そんなイメージです。
この「ネットワーキング」、つまり「人脈作り」の方法が、この本に書かれているのです。
セールスでは、質問をする人間が会話をコントロールする
著者のボブ・バーグは、「質問」が重要であると言います。人と会って、簡単な自己紹介が終わったら「質問」をしなさいと。
『あの人の「特別な存在」になる法則』(石井裕之)に、こんな一節があります。
誰かにとっての「特別な存在」になるためには、「あなたがどれだけ魅力的な人か?」ということよりも「どれだけその人のことをわかってあげられるか?」ということのほうがはるかに重要なのです。
『あの人の「特別な存在」になる法則』 石井裕之
自分のことを言うより、相手のことを聞く。
これらの名著にも通じるものがありますね。
『人を動かす』 デール・カーネギー
※(相手に)「誠実な関心を寄せる」「重要感を持たせる」
『7つの習慣』 スティーブン・R・コヴィー
※「第5の習慣」「理解してから理解される」
「質問」の重要性はわかる。でも、どんな「質問」をすればいいのでしょう。
それは……
「フィール・グット・クエスチョン」
相手が「はい」「いいえ」では答えられない、ついつい「気持ちよく」喋ってしまうような「質問」。この「フィール・グッド・クエスティン」が良いとボブは言います。
「1. どうやって今の仕事についたのですか?」
このような「ネットワーキングのための10の質問集」が書かれています。
これ以外にも、まだまだあります。
- 『人生を変えるパワーを持つ「要の質問」』
- 「FORMのメソッド」 ※営業マン以外の場合の質問方法
特に、見込み客を引き寄せる「要の質問」は重要です。この質問ができるだけで、あなたはその他大勢から一歩抜け出せるそうです。
確かにこんな質問をされた記憶は、私もないです。また、過去、私にお客さんを紹介してくれた人は、この質問の答えをよく知っている人であることに気がつきました。
ちなみに「FORMのメソッド」は、一般的に、例えば合コンなんかでも「こういったことを(多少薄めて)聞いているな」と感じました。
さあ、適切な質問ができるようになれば、準備OK。
次は、実践です。
交流会の成果、ありましたか?
交流会、懇親会、あなたも何度か参加していますよね?
あなたのビジネスに何かつながりましたか? 売り上げは上がりましたか?
名刺はたくさん配った、そしてたくさんもらった。でも、それで終わることがほとんどじゃないでしょうか。私もいつもそんな感じです。
また、私は社交好きって感じではないのですが、こういった交流会で話すことにはそれほど抵抗はありません。でも、やはり会話の輪に入れない人がいることも、感じることがあります。
正直に言えば私も、こういった場では “頑張って” 交流しているというのが、本当のところとも言えるでしょう。仕事ですもんね。
- 交流会は行ったけど、成果が出なかった。
- 交流会とか苦手で、気後れしてしまう。
一体どうすれば、いいのでしょう?
本書では「社交の場を、ネットワーキングの集まりに変えるステップ」として7つのステップが紹介されています。
ここで書かれている「中心人物たちの動向に目を光らせておく」なんてのは、やっている人なかなかいないのではないでしょうか。複数人が集まれば、そこに中心人物がいるものです。そこにアプローチするのはいい方法でしょう。
「7. 知り合った人同士を引き合わせる」
これは私もよくやっています。話すことに物怖じしないタイプの人と2人くらいで交流会に参加すると——2人はそれぞれ行動して、ときどき合流する感じ——、たくさんの知り合いができやすいですね。それに、一対一で話していくより、グループで話す方がラクに感じます。
戦国武将に学ぶ、リーダーシップをとる方法
話しかけるのが苦手な人は、本書でもやるしかない、場数を踏むといったところです。
私は、このようなちょっとした勇気のいることは、こんな本を思い出します。まあ、これがマインドセットになっているのでしょう。
議場で皮切りにそれも決定的な発言をする者こそ議場の空気を一変させるものだ
『功名が辻』 司馬遼太郎
実直なタイプの武将、山内一豊が良妻千代の力で戦国時代、一国一城の主人となる出世物語。口下手な彼が徳川家康の開く議場に際し気負う場面で出てくる言葉です。
簡単に言えば、最も効果的なのは「誰よりも先に良いことを喋っちゃう」こと。「皮切り」(最初)に「決定的」な「発言」がベスト。でも「先に喋る」だけでもその場のリーダーシップは取りやすくなるように感じます。
お礼状、電話、インターネットの活用法
その後は、お礼メールやメッセージを添えてフェイスブックの友達申請という流れでしょうか。ボブ・バーグは、「オリジナルの礼状」(紙)を勧めています。この作り方も実際の画像もあり、参考になります。
他には、電話営業やインターネットの活用の仕方も載っています。
- 「電話営業で従うべき10の手順」
- 「電話営業で心がけるべき3つのポイント」
- 「達人直伝! 門番突破の6つのテクニック」
※門番とは、社長秘書など電話口で上役に取り次いでくれる人
- 「インターネットを武器にする5つの方法」
- 「ブログの活用の仕方」
- 「ブログの始め方」
「全部覚えなきゃ」という感じよりも、手順が具体的に示されている感じ。だから、頭の中でシュミレーションしながら読むことができます。
これ以外にも、こんなノウハウもありますよ。
まだまだあります、ネットワーキングの作り方
- 「(エキスパート、専門家としての)ポジショニングを確立する方法」
- 「JV(ジョイント・ベンチャー)、クロス・プロモーション、いわゆるコラボして、パートナーの顧客リストにアプローチしたりする方法」
ここら辺から、もっと大きなネットワーキングを構築する方法も。ダイレクト出版でも有名なダン・ケネディを引用します。
- 「利益の漏斗(じょうご)システムを構成する7つのステップ」
いわゆる「セールスファネル」の作り方になります。これは、見込み客を段階的に引き込んでいき、最終的に商品やサービスを買ってもらう営業手法。このようにシステマチックに営業が機能すると売り上げが安定的に拡大していくんですね。
こういう大きな仕組みが最終的に作られるので、「見込み客の紹介の連鎖が止まないネットワーキング、人脈活用」が実現できるのです。
でも、人を利用するなんて……
「人たらし」、この言葉は主にビジネスにおいて、いつしか良い意味でも使われるようになりました。もともと「女たらし」みたいな、人をたぶらかすような意味ですよね。
本書に、こんなイメージも感じてしまうかもしれません。
でも、最初にも書いた通り、この本の重要なポイントは、「ネットワーキング」、「人脈活用術」はウィン・ウィンの関係を築くというもの。特にボブは「見返り」は期待しないことを、繰り返し述べています。
まず、相手のために働きかける。相手を尊重して接することによって、ビジネスも成功する。
人間の普遍的な繁栄の原則をボブは語っているようです。全体的に「セールス、セールス、セールス」といった感じの本ではなく、「善い人(良い社会人)」になるための実践的な本といった方が近いかもしれません。